Q.「株式会社コロナ」さんは、いつ頃からヒートショック対策に取り組んでいたのですか?

小林さん:当社の具体的な取り組みとしては、2016年に「ウォールヒート」という壁掛け型の遠赤外線暖房機を開発しました。狭いスペースにも設置しやすいコンパクトサイズとなっておりまして、寒いけれど暖房器具を置くほどのスペースもない脱衣所や洗面所などに設置していただけるようになっております。

プカ太郎:たしかに!脱衣所や洗面所って、モノも多いので、置く場所がなかなかつくれないですよね。

小林さん:株式会社コロナは本社が新潟県三条市にあります。冬場の寒さが厳しい地域ですので、家の中でも脱衣所やトイレはとても寒くなるんです。こういった家の中での寒暖差によるヒートショックを減らしたくて「ウォールヒート」を開発いたしました。これまでの暖房器具ってリビングや居室など、ある程度広さのある空間を暖める製品はあったのですが、小さなスペースを暖めるものって、なかなかちょうど良いものがなかったんですね。だから「ここに暖房機の設置は難しい」というような場所にでも設置できるように製品を開発しました。

 

Q.社内でもヒートショックに対する啓発活動をされているのですか?

小林さん:はい。社内ではポスターの掲示や社員用ホームページで、ヒートショックに関する情報を掲載しています。株式会社コロナは、暖房機器で知られている会社ですので、社員も暖房やヒートショックについてはすでにある程度詳しいので、一般的なヒートショックの情報よりも、さらに一歩踏み込んだ情報を紹介するように心がけています。

プカ太郎:社内の皆さんもヒートショックについて、勉強されているんですね!

 

Q.お客様に対しては、どのような注意喚起を行っていますか?

小林さん:製品の展示会に来ていただいたお客様には、製品の説明と合わせてヒートショックについての説明・注意喚起もしております。またFacebook公式アカウントがありますので、SNSやホームページ上でも、注意喚起を呼びかけています。「どんなところに気をつけたらいいのか?」といった内容をポイントを絞って発信しております。

プカ太郎:Facebook見てみますね!

 

Q.「株式会社コロナ」様は、新潟県が拠点ですが、地元に対しても注意喚起を行っているのですか?

小林さん:もちろんです。新潟県は縦に長い県で、地域によって気候にも差があるのですが、冬は雪深くなる地域も多いため、特にヒートショックに気をつけなければならないエリアです。ですので新潟県の新聞社であったり、マスコミやテレビなどのメディアの方々にも気をつけてもらえるように、ヒートショックのポイントをわかりやすくまとめて発信させていただいています。

また、弊社は暖房機器を扱っているため、地元の消防本部が行っている1人暮らしの高齢者世帯の防火指導に参加しています。今後はそういった機会を利用して、防火だけでなくヒートショックへのリスク対策なども、呼びかけていきたいなと考えております。

プカ太郎:たしかに、1人暮らしのお年寄りの方は特に心配ですね。

小林さん:はい。新型コロナウィルスの影響で、この1〜2年はお客様との直接の交流がなかなか行えない状況だったのですが、感染状況が落ち着いたら、直接お客様と会える場でも情報発信していきたいなと思っています。

 

Q.「ウォールヒート」以外にも、ヒートショック対策に有効な製品はありますか?

小林さん:ございます。「ノイルヒート」というオイルを使わないヒーターです。こちらは冬場の寝室で使っていただくことを想定してつくられました。実はあたたかい布団の中と冷えた部屋の温度差も、ヒートショック対策で気をつけたいポイントです。でも、眠る時に暖房をつけるのって、安全面の心配があったり、空気の乾燥の心配があったりで、なかなかできないですよね。そういった心配を減らすために開発したのが、この「ノイルヒート」です。高齢者や小さなお子様、また「温風が苦手」という方にも、安心してお使いいただけるような暖房機かなと思っております。

プカ太郎: 色々な面に配慮された製品なんですね!

小林さん:お部屋がじんわりとあたたまって、空気も汚さないので、快適に眠りやすくなりますよ。

 

Q.他にもヒートショック対策に有効な製品はありますか?

小林さん:暖房器具ではないのですが、そういった給湯機があります。

プカ太郎:給湯機!?給湯機でどうやってヒートショック対策するんですか?

小林さん:給湯機のリモコンが浴室温度が低い日に注意情報をお知らせしてくれるんです。例えばお湯はり時などに「気温が低くなっているので、浴室や脱衣所の暖房をオススメします」といった内容を教えてくれます。自分で寒暖差に気づかない場合でも、給湯機がサポートしてくれます。

プカ太郎:それなら安心ですね。

小林さん:弊社が2021年から発売したエアコンの中にも同じように、 温度低下の注意喚起をしてくれる機能があります。部屋の温度が一定以上寒くなると、スマートフォンのアプリを介して、外出先のスマホにお知らせしてくれるという機能です。そしてアプリによって外出先からでもエアコンのスイッチを入れることができるようになっています。

プカ太郎:家に帰ったらあたたかい部屋がお迎えしてくれるんですね!

小林さん:その通りです。ちなみに夏は熱中症にも気をつけなければならないので、部屋の温度が暑くなりすぎた時にもお知らせしてくれます。これらの情報は離れて暮らすご家族にも共有できます。だから「親がちゃんとエアコンを使っているのか」といったことも確認いただけますし「離れて暮らす高齢の親がヒートショック等にならないか心配」といった場合でも、このエアコンがあれば、安心していただけるのかなと思います。

プカ太郎:やさしい機能ですね。

小林さん:ありがとうございます。やはり弊社はメーカーですので、製品を通じてヒートショックのリスクの軽減や離れて暮らすご家族への安心をご提供できればと考えております。

プカ太郎:ありがとうございました!お話を伺ってコロナさんのものづくりには「やさしさ」が根っこにあるのだなと感じました。これからも人に、心に、やさしい製品をつくっていってくださいね。

 

 

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