ヒートショックによる死亡者数?

ヒートショックの影響による死亡数は、現状明らかになっていません。
入浴中の死亡者数は年間1万9千人いるとも推計されたことがあり、お風呂で多くの方が亡くなっていることがわかります。
よく、ヒートショックによる死亡数と入浴中の急死者数を同一に取り扱われていることがありますが、後者の中には、転倒等の理由が含まれているという点がポイントになります。
つまりは、すべてがヒートショックで死亡している方の数というわけではないのです。

 

しかし、気温が下がる冬場には、入浴中の死亡数はその他の時期と比べ、何倍にもなっており、冬場の入浴事故には、「温度差」が引き起こすヒートショックの影響が大きいと推測することができます。
ヒートショックに気を付けなくてよいというわけではありません。

 

みなさんもこれで、ヒートショックの影響による死亡数と、入浴中の事故者数とは同一ではないということがわかりましたね。

 

 

■1万9千人という数字

入浴中の死亡者数は年間1万9千人いるとも推計されたことがあるとお伝えしましたが、この数字どうやって捉えればいいのか難しいですよね。

熱中症による死亡者数は平成29年において、635人。
厚生労働省プレスリリース
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/necchusho17/index.html

交通事故による死亡者数は、平成30年は、3532人とのことです。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00130002&tstat=000001032793&cycle=7&result_back=1&tclass1val=0

 

熱中症や交通事故による死亡者数と比べると、入浴中の事故での死亡者数として推計されている数がいかに多いかがわかりますね。
お風呂での温度のバリアフリー化を実施したり、転倒防止対策をしたりと、安全に気をつけて、お風呂に入りたいですね。

ヒートショック対策をして万が一に備えましょう。

 

 

ヒートショックの対策身近なことから!

ヒートショックの影響による死亡数は、現状明らかになっていないとはいえ、入浴時にヒートショック対策が必要なことは明らか。ヒートショック対策を身近なことからはじめましょう。

 

まずは、お風呂に入る前の湯はり時に、浴室を暖めましょう。

ヒートショックは温度差が原因となるため、やはりお風呂に入る前に余裕を持って浴室を暖ておくめことがポイントです。
お風呂を沸かすときに、浴室暖房乾燥機をONにする習慣がつくとヒートショック対策になりますね。

 

次に、脱衣室も事前に暖めておきましょう。

浴室と脱衣室の温度差も、ヒートショックにおいて注意が必要になります。
こちらも、お風呂に入る前にしっかりと暖房をいれておきましょう。
脱衣室用の暖房もたくさん種類がありますが、安全性を考えると、天井や壁上部に設置できるようなものがよさそうです。

 

3点目は、お風呂のお湯はりの温度です。

お風呂を沸かす際には、41度以下に設定しましょう。自動お湯はり機能がある給湯器なら、リモコンで設定が可能です。
また、温度計を使って自分で調整するのもよいですね。
一緒に住んでいる家族の中に高い温度に設定したい人がいる場合も、ヒートショック対策のためということで声をかけましょう。

 

続いて、入浴前には家族に一言かけましょう。

先ほどの湯温の設定と同じように、一緒に住んでいる家族の中で声をかけ合っていくことで、
何かあった場合にも助け合うことができそうです。
離れて暮らす家族では、ヒートショックを気にして、お風呂に入る前後で電話やメールをし合う、ということも聞いたことがあります。
ヒートショック対策をきっかけに、家族とのコミュニケーションが増えると、さらによいですね。

 

5点目は、入浴前に水分を取ることです。

お風呂に入っていると、意外と知らない間に汗をかいています。
お風呂から上がった後に牛乳を…というのは昔ながらの習慣でやったことがある方もいるのではないでしょうか。
入る前にも水分を取っておくことで、熱中症(熱いお風呂に長時間入ると熱中症になる恐れもあります)などの予防にもつながります。
麦茶など、体にやさしい飲み物を選んでいきましょう。

 

次は、入浴中のポイントです。いきなり湯舟に入らず、かけ湯をしてから入りましょう。

銭湯や温泉では、体を洗ったりかけ湯をしてから湯舟につかりますよね。
普段から、かけ湯をして体をお湯に慣らすことがヒートショック対策につながっていきます。
湯舟のお湯やシャワーで、手足からお湯をゆっくりかけ、体を湯船に浸かることに向けて準備しましょう。

 

ヒートショック対策の気を付けたいポイントの最後は、湯船に浸かっている時間です。
湯船に浸かる時間は、10分以内にしましょう

気持ちの良いお風呂は、ついつい長居してしまうかもしれません。
のぼせないようにも、なるべく10分以内にあがれると安心ですね。
41度のお湯に10分しっかりと浸かることで、体もリフレッシュできそうですね。

 

 

■7つのポイントを気軽に確認

ご紹介したヒートショック対策は、動画でも詳細をご覧いただけます。
https://heatshock.jp/movie

「ヒートショックとは」の動画も併せてご覧頂き、ヒートショックについてぜひ理解を深めてくださいね。

 

 

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