プカ太郎:ヒートショックが危険だということは、みんな知っていますが、お医者さんの立場からは、どんなところがヒートショックの怖さなんですか?

矢吹先生:ヒートショックのリスクが高いのはご高齢の方。そしてヒートショックを起こしやすいのが入浴のタイミングです。これは皆さんよく知っていると思います。

プカ太郎:はい!多くの高齢者の方が気をつけていると思います。

矢吹先生:ヒートショックを起こすということは、高齢ではありますが自宅で入浴できている方とも言えます。自宅で入浴できる方という意味では、結構元気な高齢者と言えるかも。ヒートショックは、元気な方が入浴時に急に具合が悪くなることとも言えるかもしれません。

プカ太郎:言われてみればたしかに!

矢吹先生:さらにそれを発見されたご家族の精神的なダメージも計り知れないですよね。

プカ太郎:「自分がもっと気をつけておけば防げたのに・・・」って考えてしまいそうです。

矢吹先生:そうなんです。ヒートショックで命を落としてしまった場合、ご家族がすごく後悔されるケースが多いんです。

プカ太郎:ヒートショックが原因で年間どれくらいの方が亡くなっているのですか?

矢吹先生:ヒートショックの死亡統計って厳密にはよく分かってないんです。統計では入浴関連死亡という項目で調査されています。その中には、不慮の溺死や心筋梗塞なども含まれます。

プカ太郎:たしかに!入浴中だと他の原因での死亡事故と区別しづらいですね。

矢吹先生:以上を前提として、あくまでデータを基にした予測になりますが、ヒートショックで亡くなる方は多く見積もると年間2万人くらいと言われています。

 

 

プカ太郎:「こんな状態でお風呂に入ると危険」というケースについて教えてください!

矢吹先生:まずはお酒を飲んだ後が良くないですね。

プカ太郎:これはよく耳にしますね。

矢吹先生:スポーツなどで激しく運動した直後も良くないです。脱水症状に近い状態ですから。スポーツ後は休憩を入れてから入浴するようにしてください。

プカ太郎:これは知りませんでした!

矢吹先生:おしっこをした直後にお風呂に入るのも危険かも。

プカ太郎:え!?お風呂の前にトイレに行くことってよくありますよ!

矢吹先生:おしっこの直後って血圧が下がるので少し時間を空けるとよいです。

プカ太郎:知らなかった!

矢吹先生:飲酒、スポーツ、おしっこ。これらに共通するのは血圧に変化が起きる行為だということです。血圧の変化が大きい状態でお風呂に入ると、ヒートショックが起こる可能性が高くなってしまうんです。

プカ太郎:なるほど!共通するのは血圧の変化なんですね!

矢吹先生:だから高齢者の方は、血圧を下げる薬を飲んだ直後にお風呂に入るのも気をつけたほうが良いです。

 

~【Vol.3】に続く~

 

 

 

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